ゴルフを始めてから、いろいろな本やDVDを参考にしてその通りに練習をしていた時期が半年以上ありましたが、いくら練習をしてもスコアは良くなるどころか、むしろ悪くなっていきました。
最初の頃は一緒にラウンドしている人から「結構、練習しているんですけど、まったく上手くならないんですよね。」という話を聞いて「いやいや、練習しているのだからそれは御謙遜でしょう。」と内心で思っていたのですが、まさしく自身がそういう状態になってしまい「ああ、あれは本音だったのかも。」と思うようになりました。
「毎週レッスンを受けて三年間かかってようやく100切りができたんですけど、そこから100を行ったり来たりなんです。いくら練習してもスコアが良くなるどころか安定もしないんですよね。」という話もよく耳にしますが、これも照れ隠しや謙遜ではなく本音なのだと思います。
私が「練習してショットが上達しているのに、スコアが良くならない。むしろ悪くなる」という時期には、以下のような事がコースで度々起こっていました。
天国から地獄に真っ逆さま。ゴルフ初心者あるあるのオンパレードです。
「ワンオンさせたんだから、せめて3パットのボギーでいいのに。」
「PAR5でドライバーが飛んで2打目と3打目はピッチングで2回打つだけで、楽々パーオンの距離だったのに。」
「後悔するならなぜ、最初からそうしておかないの?」と自分を責める事ばかりでした。
アイアンが良くてもパターでミスをする。ドライバーが良くてもセカンドでOB連発。
多くの後悔と反省の中から、
「なんだ、結局ドライバーからパターまで全部上手くなっていないと、全然スコアが良くならないじゃないか。」
と、ようやく気づいたのです。
そして、ドライバーからパターまでの14本、全てのクラブを使いこなせる練習量がどれ位になるかを考えた時に「毎週レッスンに通っている人が三年かかって100が切れましたって言うくらいだから、レッスンを受けていない自分は、最低でも倍は見ておかないとだめだな。ということは、えっ?最低でも六年!?」と絶望的になってしまいました。
このままだと、十年かかっても100が切れないかも知れない。という可能性を考えると、もうゴルフをやめてしまった方が良いのかな?と思うようにもなりました。
そして、悩んだ挙句に出した結論は
「必要な事を一つ一つ順番に後戻りしないようマスターすれば、いつかたどり着けるのだから、焦る必要はない。」
という事です。
「少し練習して上手くなった気になって、別の練習をしている間にまた下手に戻っていた」
ではなく「ドライバーぐらい目をつむってても打てるよ」くらいのつもりで、徹底的にそればかりを練習して確実にマスターしていこう。結局それが一番の近道になる。という事を思って練習するようになりました。
練習場ではドライバーに自宅ではパットの練習から初めて、色々な事を集中して練習して順番にマスターしていくうちに、3ヶ月半後の3回目のラウンドで100が切れてしまいました。
過去に苦労をして、十年かかっても無理かも知れないと覚悟をしていた事が、たった3ヶ月半でクリアできたのです。
夢でも見ているのか?とも思いましたし、今まで練習していた事は何だったんだ?と過去の自分を腹立たしくも思っていました。
私自身は試行錯誤をしてずいぶん遠回りをしてしまいましたが、今になって振り返ると100切りをするため身につける必要があった事は、たった7つだけの簡単なスキルであって、高度な技術を身につけようと苦労して上達したところで、それだけではスコアは少しも良くならないのです。
そして、この7つのスキルが一つでも欠けた状態でゴルフをしているから「練習してもスコアが良くならない」という事が自身にも起こっていたのです。
「たったこれだけの事を教えてくれて、少し練習すれば簡単に100が切れる方法があるじゃないか!なんでゴルフが上手い人達はこういう方法を誰も教えてくれないのか?」
とある種の憤りのようなものを感じていたのですが、ならば、私が苦労して克服したことを少し整理して文章にすれば、同じような苦労をされている誰かの役に立つ事があるかも知れないと思って、この文章を書くことにしました。
なかなか100が切れないという方だけでなく、100切りしたけどスコアが安定しないという方にも役に立つ事があると思いますので、是非、最後の回まで読んでみて下さい。
必要な7つのスキルとは何か?
1. ティーショット
2. セカンドショット
3. ショートゲーム
4. アプローチ
5. パット その1
6. パット その2
7. コースマネージメント
以上の7つのスキルです。
挙げたスキルだけを見ると、ティーショットからホールアウトするまでに必要な事をすべてカバーした上にコースマネージメントまで含んでいますから、習得がすごく大変そうに見えますが、1つ1つのスキルは拍子抜けするくらいの簡単な事がほとんどです。
例えば5番目の「パット その1」であれば、クリアする目標は
50cm先の一点を通過させて2mまっすぐ打てる事
というもので、ある程度ゴルフ経験のある方なら練習の必要すらない方が多いと思います。
その場合は全くの練習の必要はありませんから、残りの6つのスキルの目標だけクリアすればスコア100が切れるようになります。
練習方法と順序の誤解
7つのスキルのうちショットに関する3つのスキルは、注意する事があります。
それは身につける順序が有って、順番にクリアしていく必要がある事です。
そしてティーショットから順に練習を始めますが、クリアできるようになるまで他のショットの練習は一切してはいけないという事です。
なぜかというと、順序どおりに集中して練習しなければ上達しないからです。
「練習場ではドライバーのような大きなクラブではなく、サンドウエッジから練習して徐々に番手を上げて練習して下さい。」
と書いてあるレッスン書をよく見かけます。
鵜呑みにして、フルセットを練習場に持ちこんでクラブを数球ずつでとっかえひっかえ打って練習していないですか?
私がそうであったように、100切り出来ない人にとってこの練習法は全くの逆効果です。
番手を上げて練習するのは、ラウンド前にプロが自分の調子を確認する目的であったり、一日2000球を練習で打つ人の話なのです。
週に2,3回程度で、1回当たり100球未満の練習量なら、練習するクラブは1本だけ。多くても2本までにしておかないと上達するはずが有りません。
また、別のレッスン書では、
「ショートゲームはスコアの鍵です。100ヤード未満の距離を徹底的に練習しましょう。」
と書いてあるのもよく見かけます。
だからと言って、練習場に行くたびに毎回必ずウエッジを練習していないですか?
これもよくある誤解ですが、ショートゲームが重要になるのは、ティーショットとセカンドショットがそこそこ打てる人の話です。
多くのレッスン書にはティーショットから始まって、最後の方にショートゲームの重要性が書かれています。
「最初から読んで練習しているのだから、前に書いて有ることは全て習得済みである」という前提なのです。
ですから、ティーショットとセカンドショットのスキルがない人は、真っ先にそちらを何とかしないことにはショートゲームの練習をしても、いつまでたってもスコアは縮まらないのです。
レッスン書の通りに練習してもスコアが良くならないのは、
書いて有ることを断片的に理解して、練習方法や順序を誤解しているから
です。
順序どおりに集中して練習しないとスコアは良くなりません。
練習場でマスターする3つのスキル
7つあるスキルのうちショットに関する、
1. ティーショット
2. セカンドショット
3. ショートゲーム
の3つのスキルは練習場で練習をして身につけます。
残りの4つのスキルは自宅で練習したり、当日の朝にコースでしか練習できない事や、知識として覚えておく必要があったりする事なので練習場では練習しません。
ですから、100を切るために練習場で練習をする必要が有るのは、3種類3本のクラブだけで、しかも1回の練習に持参するのは原則1本だけです。
1つのスキルを1ヶ月でクリアできれば、3ヶ月間練習するだけで100が切れるショットのスキルが全て身につきます。
練習してクリアする順序は番号の通りで、最初にティーショットから練習して目標がクリア出来たら、次にセカンドショットの練習をして、最後にショートゲームを練習します。
3つのスキルのクリア目標を見て、ショートゲームなら少し練習すればクリアできそうだから先に練習してクリアしよう。というのは絶対にやってはいけません。
ティーショットのOBが1つでも減ればスコアがよくなりますが、ショートゲームの練習ではスコアは目に見えて減りませんので「練習してもスコアが良くならない」とストレスを感じるだけです。
それと、練習場では必要のない練習は一切してはいけません。
一度、目標をクリアしたスキルの練習は、別のショットのスキルが身につくまで、一切する必要は有りません。
設定した課題を確実にクリアするために、練習場では1つの事に集中して練習して下さい。
以上の点に注意して簡単な練習をして7つのスキルを全て身につければ、誰でもスコア100が切れるようになります。
それでは、最初にティーショットのスキルについて説明します。練習方法などは次回の記事を参考にしてください。
コメント
初めまして。
僕は下手ですが、ゴルフがとても大好きな40代の者です。
こちらには色々と渡り歩き辿り着きました。
ゴルフに対し、凄く研究をなされていらっしゃるんですね。
僕は何も考えず、年数ばかりを重ねて来たので、今後は出来る範囲で真似させて頂ければと思いました。
また伺いたいと思っておりますので、宜しくお願いしますm(_ _)m
はじめまして。コメントありがとうございます。
ブログを拝見しました。ワンちゃん、かわいいですね。癒やされます。
もうすぐシングルという腕前の方が、私のような初心者からでも得ることはあるのだと、
参考にして頂いている事は非常に光栄です。
いつでも気軽にお越しいただければと思います。
返信コメント、有難うございます。
また、ブログを訪問頂き、有難うございました。
誤解がある様なのですが…
僕はシングル間近と云う腕前ではありません。
まだまだゴルフを勉強している最中で、分からないことだらけです。
ラウンドをしていても常に100切りを
目標としています。
事実、今年も80・90台は数回で、
100前後が大半でした。
今後も伺いたく、色々と教わりたかったので誤解が解ければ良いのですが…
シングルプレイヤーに囲まれて練習も熱心にされているようですし、おそらく月例のBクラス上位くらいの腕前の方であろうと推測して「もうすぐシングル」という表現になってしまったのですが、すみません。
いつでも気軽にお立ち寄りくださればと思います。
自分自身と比較した時、練習量や内容の質ではmassyさんの方が中身があり、濃いと思っています。
僕は基本、何も考えてないので…と、云うか、考えても分からないと云う方が当たっているかも知れません(苦笑)
因みに…あと一つ縮めればBですが、今はCクラスです。
昨年の秋からHCが動かず、春以降、不甲斐ない自分に焦っていますが、結果が伴っていない状態です。
massyさんの全てのブログを拝見した訳ではありませんが、色々と研究をされ、僕にはない思考や着眼点を持たれていると思ってます。
これから折々に質問や相談をさせて頂きたいので、それを教えて頂ければと…
不躾で申し訳ありませんが、
何卒、宜しくお願いしますm(_ _)m
個人的な内容が含まれている事に関しては、公開されているブログのコメントよりもメールの方がよいと思いましたのでメールでご返信しましたが、先ほどエラーで戻ってきてしまいました。
なにぶん初心者ですので、全ての疑問にお答えできるわけではないと思いますが、知りうる範囲でお答えしたいと思いますし、知らない事でしたら一緒に考えてみたいと思います。
いつでもお気軽にお問い合わせください。
はじめまして、あきよしと言います。
初めてコメントさせて頂きます。
色々な興味深い記事の内容、とても楽しく拝見させていだだいています。
私はゴルフを始めて4年程になります。
やり始めた当初はゴルフスクールにも通いましたが、あまり上達が感じられない為、ここ1年程は自分で試行錯誤しながら練習しています。
一応100切りは達成出来た(3年かかりましたが)ものの、まだまだ叩いてしまう時もあり、スコアの安定しない日々が続いています。
今回の記事を拝見しまさしく自分の事だなと痛感しました(笑)
色々な本や雑誌、YouTubeの動画などを参考にそれに振り回されてしまい一つのことに長続きせず、練習に関してもウエッジからドライバーまで順番に練習する始末…コースでも同様でした。
如何に自分が練習でもコースでも何も考えていなかったのか気づかされました。
今後の記事、とても楽しみにしています。
お身体に気をつけて頑張ってください。
またコメントさせていただきます。
はじめまして。コメントありがとうございます。
おそらくあきよしさんは、何も考えずに練習をされているのではなくて、過去の私がそうであったように、レッスンや教科書通りに真面目に考えすぎて練習をされているから、かえって結果が出なかっただけなのでは無いかと思います。
スコアは結果論ですから、少しだけ考え方を変えて楽しいゴルフが出来ればいいですね。
お返事が遅くなるかも知れませんが、いつでもコメントをお待ちしております。
[…] 備忘。 […]
[…] 前回の追伸で書きましたが、「これ」は今の私には少なくとも必要のようです。 […]
Massyさん、当方のブログへのコメントありがとうございました。
後になって申し訳ありませんが、リンクさせていただきました。
(結果が少し出てからコメントさせていただこうと思っておりました・・・)
練習は続けられると思うのですが、ラウンドでどうか・・・
いいご報告ができるように「反復」していきたいと思います。
ブログでのご紹介ならびにコメントありがとうございます。
地味な反復練習を継続する必要がありますので、動機づけが維持できずに途中で挫折される方もいらっしゃるのですが、「10球中6球成功したら新しいウエッジを買うぞ」とか何でも良いので課題をクリアすることによる成功報酬が得られる仕組みを取り入れるなどして、楽しみながら練習をされると継続がしやすいと思います。
私の場合は「成功するまで次のラウンドに行けない」という事にして必死に練習していましたが、これはあまり賢くないやり方です。(汗)
普段ご指導をされている少年たちにも同じ言葉をかけられているかと思いますが、練習は結果をあせらずに地道に取り組んでいただければと思います。
[…] (^_^;)、参考にさせていただいているMASSYさんが根拠にされている書籍、 […]