先月にショートコースへ行った際に、試打したドライバーを衝動買いしてしまって、「もうゴルフ道具は腕前に比較して十分すぎるほど揃っていますので、もうこれ以上は買わないようにしたいと思います。」とブログでコメントをしました。
にも関わらず、近くのゴルフショップでミズノのフィッティング試打会があると言うので、性懲りもなく出かけてしまいました。
出かける前に強く決意をしたのは「この前のドライバーみたいにまた買ってきて、結局、打ちこなせませんでしたってなったら困るなぁ。即決せずに、試打して気に入った全モデルの見積書をもらって帰ってこよう。」という事で、今回はそのつもりなのですが・・・。
もったいぶる事ではないので、先に結果を書きたいと思いますが、今回は即決せずに見積書だけもらって帰って来ることができました。
今回の会場がつるやゴルフではなくて、本当に良かったです。(大汗)
これは個人的なイメージなのですが、ミズノと言えばやはりアイアンです。
中でもMPシリーズといえば、持っているだけである程度ゴルフを知っている人でしょう。
※写真はミズノ社WEBページから拝借しています。
カーレーサーがハンドルの遊びの無い車を自在に操るように、MPのようなクラブを持っている人達は、シビアなクラブを自在にコントロールしてスコアをまとめてくる人達です。
私の場合は、キャロウェイのX2HOTというグースの強いストロングロフトの初心者向けのやさしいアイアンを使っています。
難しい事は抜きにして、身体の正面に有るボールを飛ばすのにクラブを真横に適当に振れば、一定の位置にボールが集まるように設計されているクラブだと思います。
「あっ、ちょっと今のは右に振り出した」とか「トップしてしまった」とか感じても、ある程度の方向と距離にボールが飛んでくれる、初心者にとっては非常に扱いやすいクラブです。
その代わりに、少しフェードをかけたいとか微妙な操作をしようとすると難しいので、ある程度のゴルフの腕前が有る方には物足りないクラブではないかと思います。
ゴルフを始めたころから、いつかはMPのようなアイアンを自在に操れるような腕前になりたい。と思いつつ、なんとか84というスコアまでたどり着きました。
もうそろそろ初心者用のクラブは卒業したい。マッスルバックはまだ無理だとしても、キャビティタイプのMPならなんとか使いこなせるのではないか?
そんな思いで試打会場に向かったのですが、残念ながら今の私にぴったりのクラブはMPシリーズでは無かったようです。
まず試打会では、「軽くウオーミングアップをしてください。」との事で、T7ウエッジを使って何球か打たせてもらいました。
その後、ミズノが開発したシャフトオプティマイザーと呼ばれる計測機器が付いている6番アイアンを使って、3球スイングをします。
このシャフトオプティマイザーは「ヘッドスピード」「スイングテンポ」「トゥダウン」「前反り角」「しなり係数」の5項目が測定可能です。
ヘッドスピード以外の項目は、聞いた事の無い項目なのですが、フィッターさんの説明によると、1から9までの数値で表現されるそうで、中間値の4や5と言うのが標準的な数値だそうです。
「スイングテンポ」 バックスイングからダウンスイングに移る際のスイングの”タメ”とか表現されている事だそうです。私の場合は1で、全く”タメ”の無い切り返しの早いスイングだそうです。
「トゥダウン」 インパクト直前の下方向へシャフトのしなりの事だそうです。私の場合は2でほとんどしなりが無いとの事でした。
「前反り角」 インパクトの際の飛球方向へシャフトのしなりの事だそうです。私の場合は1でほとんどしなりが無いとの事でした。
「しなり係数」 バックスイングのコックをいつリリースしているか。数字が大きいほどリリースが早く、ダフッたりするミスショットが多いそうです。私の場合は8でリリースが早すぎるとの事でした。
「ゴルフを本格的に始められて一年くらいでしたよねぇ・・・」
遅いヘッドスピードに、タメの無いスイング。コックのリリースも早く、シャフトは全くしならない。とんでもない初心者が来たもんだとフィッターさんもあきれ顔です。(笑)
三回のショットの数値をパソコンのソフトに入力すると、おすすめのシャフトがいくつか出てくるのですが、私の場合はヘッドスピードが遅く、シャフトのしなりがほとんどない。という事で、限られたモデルのシャフトしか出てこなかったようです。
これにはフィッターさんも困っていた様子で、「本当は色々な種類のシャフトを試したいところですが、モデルが限られてきますね。」とおっしゃっていました。
仕方がないので、標準のカーボンシャフトのRフレックスで試打をすることになり、普段使っているクラブと打ち比べてください。という事でしたので、まずはいつものX2HOTで試打をします。
弾道データの計測は、ショップに備え付けのブリジストンのSCIENCE EYEを使って行います。
X2HOTを3球打ったデータを見たフィッターさんの感想は、「ヘッドスピードは遅いですけど、こんなに飛ぶんですね。しかも、ボールが3球ともほぼまっすぐ同じ場所と距離で飛んでいます。ちょっと、そのアイアンを見せてください。」
といって、私のアイアンを受け取って色々な方向から眺めていたのですが、何の変哲もない普通のアイアンですから、ますます不思議だったのでしょうか、「うーん。キャロウェイのアイアンってすごいんだなぁ。ウチのアイアンは負けるかも。」と信じられない感想が飛び出します。
さすがに、私もこれには苦笑い。
「おぃおぃミズノさん!そんな事言っていいのか!?それに、商売上、ほめるべきは私のスイングであって、キャロウェイのアイアンじゃないでしょ。」と心の中でつぶやいたのは言うまでもありません。
しかしながら、この正直な感想しか言えないフィッターさんは、もとは養老にいたクラフトマンだったのでしょうか?終始、私にクラブを買わそうとする気が全く無かったのは、かえって好印象でした。
次はいよいよミズノのクラブの試打ですが、「この、キャロウェイさんのモデルに負けないくらいのうちのクラブはこれです。」といって出してくれたのは、残念ながらMPシリーズではなく、JPX 900 FORGEDというモデルでした。
※写真はミズノ社WEBページから拝借しています。
「今、お使いのものよりもグースが弱いので、少し打つのが難しいかも知れませんが、クラブの性能では負けていないと思います。」
というフィッターさんの言葉に、「いきなりシャンクでもしようものなら、その場で帰されそうだなぁ。」とプレッシャーを感じます。
アイアンを受け取って周辺を見渡すと、試打を開始した時には全くいなかったギャラリーがいつの間にか沢山増えていて、ますますプレッシャーを感じます。
「初心者のおっさんのスイングを見ても面白くもなんともないのに、物好きもいるんだなぁ。」と思う事にして、出来るだけ見られているプレッシャーから逃れようとします。
打席に立って、普段通りにスイングすればいいか。と考えて打った一球目はまずまずの当たりで、私もフィッターさんも一安心。
X2HOTの打球が良かっただけに、ここでミスショットをすれば、周りのギャラリーからは「ミズノのアイアンはダメじゃん」という評価を下されてしまいます。
そんな心配をよそにミスショットもほとんどなく、色々なシャフトに交換しながら試打は進みます。
遅いヘッドスピードに、タメの無いスイング。コックのリリースも早く、シャフトは全くしならない。という特殊なスイングの持ち主の前では、データ計測という手法は通用しない事をフィッターさんは察知したのか、実際に打たせて一番良いものを選択する方針を取ったようで、色々なシャフトに交換しながら、最低でも50球ぐらいは打たせてもらったと思います。
通常のミズノの試打では、プラスチックの板とショットマーカーを使ったライ角診断が有るそうですが、今回の試打はブリジストンのSCIENCE EYEを使っているので、インパクト時の高速写真で分析をしていました。
試打データは思いのほか良かったそうで、「うちのアイアンの性能もキャロウェイさんには負けていませんね。」とフィッターさんも安堵していた様子でした。
「本当はMPシリーズが欲しいんですけど、まだ私には使いこなせそうにないですね。」との私の言葉にフィッターさんは、「はい。MPは練習しないと難しいですよ。買っても押し入れの中で眠るだけです。私がそうですから。」との事。
「私も、買っても使いこなせないドライバーが沢山あるんだけど」と心の中でつぶやきながら、試打は終了です。
「お値段の事は販売店様にお任せしていますので。」という事で、クラブのスペックだけを書いた見積書をショップの店員さんに引継ぎをします。
6番からPWまでで見積もりをお願いしたのですが、せっかくなのでGW(他メーカーのAW)とSWも揃えた方が良いですよ。との事だったので、アドバイスに従って見積もりをしていただく事に。
お値段の事は詳しく書きませんが、7本セットで原付バイク一台分くらいの値段だったので、何から何までフルカスタムな軟鉄鋳造アイアンなのに意外と安い。と言うのが正直な印象です。
試打会場がいつものつるやゴルフなら「すごく格好いいです。(アイアンが)」と、きれいなおねぇさんの殺し文句にヤラれて、気が付けばドライバーやらキャディーバッグまで、全部ミズノで揃えてしまう事になっていたのですが、違うお店だったのでなんとか助かりました。
というわけで、試打の結果は、今のX2HOTは私にぴったりのアイアンで、もう少しうまくなったらJPX 900 FORGEDを。憧れのMPシリーズを使いこなせるようになるのは、まだまだ修行が必要である。という結果となりました。
「100人いれば、100通りのスイングがある。」
ミズノのキャッチフレーズを私自身が証明したような今回の試打でした。