今回は「ゴルフ初心者がスコア100切りするために必要な7つのスキルと練習法」のショートゲームに関する事です。
ショートゲームでクリアする目標は
「8番以下のアイアンで、番手の数字通りに飛距離差が出る事」
です。
持っているクラブの8番以下のアイアンとウエッジの飛距離を並べて、距離が10~15ヤード毎に差がついており、打ち分けが出来れば問題ありません。
ゴルフを始めたばかりの頃は、何番で打っても同じ飛距離とか、8番より9番のほうがよく飛ぶ。という事が多いと思います。
ですが、今までの記事を読んでティーショットとセカンドショットの目標がクリアできているなら、練習をしなくてもすでにクリアが出来ているかも知れません。
この目標がクリアできれば、すでに100切りする為のショットのスキルは全て備わっていますので、あとは番手別の飛距離が頭に入っていれば、ここから先は読む必要が有りません。
次のアプローチのスキルへ進んで下さい。
目標がクリアできていないという方は、ここに書いてある練習方法に従って、ピッチングウエッジを練習した後に、番手別の距離表を作ってください。
練習方法
練習方法はセカンドショットと同じく、
「半円の大きさのスイングでボールが飛び出す方向だけを意識して、ひたすら同じ距離を打ち続けます。」
セカンドショットは身につけるのに少し苦労をしたかもしれませんが、ピッチングウエッジであれば比較的短期間でマスターできるのではないでしょうか?
マスターが出来たら、セカンドショットで練習をした7番アイアンとピッチングウエッジの2本のクラブと、スイングの大きさが2種類(半円とフルショット)で4通りの距離が打てるようになっています。
これくらいの距離感が出せれば、グリーンオンは難しくても、グリーンの周辺にまでは運ぶことが出来ますから、後はアプローチとパターでミスさえしなければ、スコア100切りは十分可能なレベルに達しています。
但し、コースで使うクラブは、練習した7番アイアンとピッチングウエッジにこだわる必要はありません。
7番以下のアイアンであれば、今までの練習内容で普通に打ちこなせると思いますので、積極的に使うべきです。
そのためには、事前に練習場で8番以下のアイアンを打ってみて、番手別の距離を把握しておく必要が有ります。
番手別の距離表を作る
ゴルフでは「このクラブでこれくらいの強さで打つと、どれくらいの距離が飛ぶ」という基準が有って、それが正確であればあるほどスコアが良くなります。
まずは、その基準を作る為の材料として「番手別の距離表」を作ります。
持っているクラブは、市販されている代表的なアイアンセット(5I~PW,SW)に、50度くらいのロフトのウエッジ(AW)を加えたものを想定しています。
7番以下の6本のクラブで、半円のスイング(9時3時の大きさ)とフルショットの距離をそれぞれ測ります。
私の場合だと、以下の様になりました。
7I | 8I | 9I | PW | AW | SW | |
半円 | 110y | 102y | 94y | 85y | 68y | 51y |
フル | 130y | 120y | 110y | 100y | 80y | 60y |
ボールの飛距離は、あくまで目安なので練習場の表示距離でも大丈夫です。
練習場で130ヤードだったとしても、実際のコースでは少し余分に飛んだりする場合がありますので、その分は調整をすれば良いだけです。
実際のコースでは、この表をもとに目標までの距離に応じて打つクラブを決めますが、よほど特殊な状況でない限り、半円のスイングの距離で打てるクラブを探して、無ければフルショットをするようにします。
例えば、110ヤードは7番で半円のスイングにするか、9番でフルショットするか、どちらでも打てる距離ですが、手前が安全で奥にこぼれたらOBになるような場合を除けば、7番で半円のスイングをした方が、良い結果が出る確率が高くなります。
50ヤード未満の距離をどうするか?
私の距離表では、50ヤード未満を打てるクラブがありません。
25ヤード未満はアプローチで対応するとして、困るのは40ヤードから30ヤードくらいの距離が残ってしまった場合です。
時間や球数が許せば、50ヤード未満の距離の打ち分けも練習をしたいところですが、短い距離の打ち分けは、感覚でコントロールする必要がありますから、相当な量の練習をこなさないと身につかないと思います。
ですから、まずは1つの距離だけを練習した方が、早く身について実践にも役立ちます。
私の場合は、35ヤードの距離が打てれば、40ヤードも30ヤードもカバーできますから、サンドウエッジで35ヤードを打つ練習をしました。
練習方法は20~30球打って、35ヤードのスイングの大きさを覚えたら、後はそれをイメージして自宅などでその大きさのスイングの素振りをするだけで、あとはラウンド前日の練習などで、実際に2~3球打って様子をみる程度です。
実際のコースでは、残りが40ヤードでも30ヤードでも、迷わずに35ヤードの大きさで打っています。
ショートゲームはスコアの鍵なのか?
以前の私は「ショートゲームはスコアの鍵です」というレッスン書の言葉を真に受けて、練習場に行くたびに毎回必ずウエッジを練習していました。
「50ヤード以内ならワンパット圏内に寄せて、2打で上がれるようになる。」という目標を立てて、一所懸命に練習をしていました。
50ヤード先のにあるフラフープの大きさの円をめがけて打って、そこに何球落とせるか?という練習をしていたのです。
ところが、こんな練習をいくらしたところで、少しもスコアは良くなりません。
確かに、50ヤード近辺のところにはうまく落とせても、そんな都合よく毎回50ヤードの距離が残るわけがないですし、下手をすると18ホールのうち、一度も50ヤードを打つ事の場面がないままラウンドを終えてしまった事もありました。
「これだけ練習しているのに。スコアが良くならない。この練習は何かがおかしい。」
そう感じながらも、何がおかしいのかわからず、悩んでいた当時の私を救ってくれたのが、ゴルフ データ革命(マーク・ブローディ著)という本でした。
アメリカのPGAツアーでは、試合に出場した全選手のショットとパットの結果がデータベース化されており、それを使えばプロの「距離別のホールアウトまでの平均打数」などを簡単に知ることが出来ます。
そのデータを使ったこの本の分析によると、残り100ヤード以下でのPGAツアープロの「距離別のホールアウトまでの平均打数」は以下の通りだそうです。
100y | 80y | 60y | 40y | 20y | |
フェアウエイ | 2.80 | 2.75 | 2.70 | 2.60 | 2.40 |
ラフ | 3.02 | 2.96 | 2.91 | 2.78 | 2.59 |
バンカー | 3.23 | 3.24 | 3.15 | 2.82 | 2.53 |
残念ながら50ヤードのデータはありませんが、前後のデータから推測すると、フェアウエイからで2.65打、ラフからだと2.84打でバンカーからは2.98打というところです。
このデータを知った私は、
「プロでも残り50ヤードから2打で上がるなんて無理なことで、3打で上がってもプロと遜色ないレベルの腕前なのか。そりゃ、いくら練習してもスコアが良くなるわけないわな。」
と愕然としてしまいました。
「ショートゲームはスコアの鍵」という言葉を鵜呑みにして、何も考えずにとんでもない高いハードルの練習をした挙句に、結果が出ないと悩んでいたのです。
「今までの練習内容は、プロのスーパーショットをお手本にしているから、難しすぎて結果が出せていない。」
「まずはスコア100切りを目指すなら、プロのようなスーパーショットは一切必要無い。ティーショットからコースアウトするまで、全て30~40点くらいの平凡な腕前があれば良いのではないか?」
「その30~40点くらいの平凡な腕前には、『そんなミスをしていたら、いつまでたっても100なんて切れるはずない』という項目を挙げて、コースではそれが出ないような練習をすれば、意外と短期間で到達できるのではないか?」
と、考え方が変わるようになりました。
ですから、私にとってショートゲームは「上達して打数を縮める」という意味では「スコアの鍵」ではありませんでしたが、「ゴルフに対する考え方が変わる」という意味では「スコアの鍵」であったのかも知れません。
目標がクリアできたら
お疲れ様でした。
まずは実際にラウンドをしてみて下さい。
今までの記事通りに順番に練習をして、ショットのスキルを全て身につけたのであれば、もう100切りをしてしまった可能性が高いと思います。
もし、100切りが出来なかったにしても、残りは毎日自宅で少しだけ練習することや、コースマネージメントを覚えて、ゴルフに対する考え方を少し変えるだけの話ですから、すぐに100切りが出来るようになると思います。
今のあなたの実力は、ティーショットがまっすぐ飛んで、セカンドショットがそこそこ打てて、3打目にはすでにグリーンに乗っているか、最悪でもグリーンオンできるところまでボールが運べるようにまでなっているのです。
普段、一緒ラウンドしている人からは、
「なんか、突然、上手くなったけど、どうしたの?」
と驚かれると思います。
次はアプローチのスキルについて説明します。練習方法などは次回の記事を参考にしてください。