夫のパットが入らない

いきなりだが、夫のちんぽが入らない(こだま著)を読んだ。面白かった。一気に読んだ。

ネットでこの本の噂を知って、会社の帰りにジュンク堂に立ち寄った。

在庫検索の端末に「夫」と入力すると、検索候補の一番最初に「夫のちんぽが入らない」と出てきたのを見て衝撃を受けた。

女性向けエッセイの棚に並べられたその本を手に取り、レジに向かい、順番を待っているときに何気なく壁際の書棚に目をやると、総合ランキング一位としてこの本が飾られているのを見てさらに驚いた。

性であったり、ゴルフであったり、世の中には色々な「入らない」問題が有って、それに悩んでいる人が多いのかも知れない。と思いながら会計を済ませて、地下鉄に飛び乗り、夢中になって読んだ。

自宅に戻って夕食を済ませて、二時間ほどで全て読み終えてしまった。

読み終わった後、最後の二行が自分の心に突き刺さる。

人生やゴルフというのは、人それぞれ色々な楽しみ方があるのだから、スコアなんて全く重要でないのかも知れない。

ゴルフ場では、普段の街中では恥ずかしくて着られないような派手な色使いの衣装に身を包み、広大な芝生の上で適度な運動が楽しめて、おいしいランチも食べられる。

匿名掲示板に「スコアなんて関係ない。ババァがピンクを着て何が悪い。」と書き込んで集中砲火を受けてしまった女性ゴルファーの本音を、その最後の二行がおだやかに代弁をしているように思えた。

仕事や家事に疲れた自分を解放してくれる空間を求めてゴルフ場に来ている人たちに、良いスコアなんて何の意味もない。ラウンドする事に意味が有るのだから。

打ちっ放しで練習しても、お金を払ってストレスがたまるだけなので練習なんてしたくない。

一人予約サイトの無料枠を使って毎日のようにラウンドをしている女性を良く見かけるが、スコアはともかく、純粋にゴルフが楽しい人たちなのだろう。なるほど、そういう事だったのか。

父親のお下がりの9番アイアンで、暗くなるまで夢中になってボールを打って追いかけていた少年の頃を思い出す。そこにはスコアなんて無かったじゃないか。

ゴルフも人生も夢中になって楽しめればそれで良いのだ。グリーンの上で「パットが入らない」と悩む必要はない。3パットする自分と向き合ってゴルフを楽しめばいいのだ。

そんな事を考えさせてくれた、とても良い本でした。

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