「手打ちしろ」「ボールを見るな」「ダフれ」と従来のコーチング理論とは逆説的な指導法を取る桑田泉氏の「クォーター理論」ですが私も大変参考にしています。
ちなみに「手打ちしろ」というのは「アマチュアがセオリー通りにボディターンをすると振り遅れるからスライスしますよ」という指摘です。
ボディターンの開始をインパクト後に持ってくるくらいでちょうど良いので、それが出来るようになるには「手打ちをする意識でスイングするくらいで丁度良い」という教えです。
レッスン書などに書かれているボディターンをアマチュアが自分なりに解釈して実践すると、ほぼ100%振り遅れてスライスしてしまうハメになると言うのですから恐ろしい事です。
ところで、増えてきた書籍や雑誌を整理していると、こんな光景が。
気がつけば同じような時期に「○ヶ月で80を切る」と言うタイトルの雑誌を3冊も買っているのです。
本を見つけた時は「よし、これで俺も80切りだ!」なんて意気揚々と家路につくのですが、何回も本を読んで練習をしても80どころか120前後の恥ずかしいスコアしか出せません。
そうなんです。
私は雑誌やクラブやボールなどの宣伝文句を信じて「買っただけで上達する」と信じている「買うた理論」の信者なのです。
学生時代からブランクの有ったゴルフを去年の8月から再開し、ラウンドをするために中古のフルセットを購入したのですが、ラウンド後にドライバーが当たらない事を理由にすぐに買い換えた事が「買うた理論」の信者になるきっかけでした。
ドライバーを買い換えるだけなら可愛いものですが、せっかく揃えたフルセットは様々な理由から次のラウンドを迎える事も無く、全て総入れ替えの状態になってしまいました。
ボールはどうせロストするからと1ダース2000円程度の安価なボールを選んでいたのですが、飛距離やスピン量にこだわってショートホールはスピン系のボール、ロングホールはややディスタンス系のボールと使い分けるようになります。
こだわりは良いとして、ティーショットはほとんどOBなので全く意味が有りません。
このように「買うた理論」の信者になってしまうと、ドライバーがまともに前に飛ばないにも関わらずボールにこだわります。
カスタムシャフトのドライバーを探したり、ブランドを揃えたいからという理由で関係のないアイアンを買い換えたりもします。
型落ちになったモデルが出ようものなら量販店に足繁く通うなど、道具代と言う名のお布施を次々と収めようとします。
「買うた理論」に取り憑かれた私にとってスコアが悪い原因は、信心が不足しているからなのです。
冷静に考えるとゴルフだけに限らずスポーツの入門者が効率よく上達するには、基礎の反復練習をするのが一番効果的ですし、ダイエットなら食事制限をすれば必ず体重は落ちます。
特殊な道具やエクササイズは全く必要ないのです。
以前の記事で練習場のボールとコースのボールでどれだけ飛距離の差が出るかを調べたことが有りました。
調べた結果は「一般的なアマチュアではボールの性能差が出ない」という結論でした。
練習を重ねてそれなりの腕前にならないと道具の性能差は引き出せないのです。
実は今、使っているアイアンは自分にはライ角が合っていないんじゃないかと思っています。
ミズノやピンでフィッティングしてもらえば、自分に合ったクラブが手に入るでしょう。
でもその前に、毎回同じライ角になるようなスイングが自分に出来ているのでしょうか?
ずれているライ角以上にスイングがブレているのだから、ショットの練習をする事が先だと思います。
これからは「買うた理論」に取り憑かれた自分を戒めるつもりです。
練習を重ねて100が切れるような腕前になったら、新しいクラブを買うてやろうとたくらんでいます。
【過去の記事】
練習場のボールはどれくらい飛ばないのかを検証してみました。